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留魂録のすすめ
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留魂録第八節部分 「死生観」を語る吉田松陰(Photospeakにて作成)
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講談社学術文庫「吉田松陰 留魂録」 全訳注:古川薫
サイズ:A6判 定価861円(税込)



松陰直筆の留魂録
(上)処刑直前に江戸・伝馬町牢屋敷の中で書き上げられた「留魂録」冒頭部分。
高杉晋作、久坂玄瑞以下、全ての門下生達に向けて書かれた魂の遺書。
松陰の死、そして「留魂録」は松陰の意思を継ぐ同志達のバイブルとなり、
長州藩志士達の倒幕への大きな原動力となった。




留魂録を読む

「留魂録」は、吉田松陰が処刑される直前に松下村塾門下生たちに向けて書いた、その名の通り「魂の遺書」だ。牢獄の中から、愛弟子たちへ切々と最後の訓戒を訴え、また、死に直面した松陰が悟り得た死生観を書き記したその内容は、格調高く、人間としての矜持に満ちており、読む者の胸を打たずにおかない。

事実、「留魂録」は、それを読んだ長州藩志士達のバイブルとなり、「松陰の死」自体とともに、明治維新へと突き進む原動力の一つとなった。松陰が、明治維新の事実上の精神的理論者とされる由縁だ。

吉田松陰というと、松下村塾門下生たちへの凄まじいまでの感化力からか、ドラマや漫画では、ある種の狂人的な描かれ方をされることが多い。人間を絶対的に信用した愚直なまでのその行動をみると、常人にはない突き抜けた一面を松陰が持っていたことは確かだろう。それが吉田松陰の魅力でもある。

「留魂録」の静かでありながら情熱的な文章を読むと、そんな松陰の、突き抜けた高い精神、志を肌で感じることが出来る。松陰門下の志士たちが師の遺志を継ぎ、歴史のうねりに次々と身を投じていった理由の一端がこの中にはある。

それだけではない。「処刑を前にして、生死を度外視し、あるいは死を望み、生を希求した後、転じて死を覚悟するに至る、揺れ動く松陰の心境が率直に語られている部分」などは、歴史上の偉人としてではない、人間・吉田松陰の息づかいも同時に感じることが出来るのだ。

数奇な経緯を経て、幸運にも松陰が書いた「留魂録」は現代に伝わり、現在、講談社学術文庫から廉価な文庫本としても出版されている。この文庫本には、原文と共に現代語訳文、注釈がついており、松陰の格調高い文章そのままに、平易で分かりやすい名文となっている。

訳注者は、幕末期の長州藩や人物を取り挙げた歴史小説・随筆などを主題の多くにしている山口県出身の直木賞作家・古川薫氏。松陰に対する理解、造詣が最も深い人物の一人であり、留魂録の現代文訳の適任者と言えるだろう。

また、巻頭には松陰が「留魂録」を記すまでの成立背景・事情を記した解説が、巻末には、松陰の足跡、思想の変遷を記した「史伝・吉田松陰」も併せて収録されている。そこからは、「単純な排外思想の攘夷論などではなく、欧米の情勢を把握し、先進文明を積極的に吸収しようと開明的な方向に視線を据えていた松陰の姿が浮かび上がってくる」。この本は、吉田松陰の多面的な人間像を知るのに最良の一冊と言っていい。

古川薫氏はこの文庫の「あとがき」でこう述べている。
「過去、私は吉田松陰の評伝も書いてきたが、多面的で巨(おお)きなこの人物の全体像を浮かびあがらせるのは、いかようにしても私ごときには至難の業である。むしろ、『留魂録』の原文をじっくり読むことが、松陰理解への早道であるかもしれない。歴史を動かした大文章に凝縮されたひとつの人間像をとらえるのに、その五千字が短すぎるということはないだろう」

炎の教師・吉田松陰から幕末志士たちに向けられた魂のメッセージ。拝金・功利主義社会を生きる現代の私たち日本人にも、訓戒を与えているのかもしれない。

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「志高く維新を先駆した炎の思想家吉田松陰が安政の大獄に連座し、牢獄で執筆した『留魂録』。愛弟子へ切々と訴えかける最後の訓戒で、死に直面した人間が悟り得た死生観を書き記した格調高い遺書文学の傑作」。幕末志士たちのバイブルとなり、行動の源泉となった日本人必読の書。現代語の訳注者は、幕末期の長州藩や人物を取り挙げた歴史小説・随筆などを主題の多くにしている山口県出身の直木賞作家・古川薫氏。本書のアマゾンのカスタマーレビューには、絶賛の声の数々が寄せられている。管理人オススメ!
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上記と同じく「留魂録の現代訳、解説、原文が収録。さらに、『留魂録』以前の手紙や論文の中からも「死生観」をあらわした史料も加えられている。また、一番弟子ともいえる金子重之助、松陰の処刑後も自らの志を貫き維新を迎えた野村和作に注目し、松陰との関わりを著されている。死を恐れることなく、つねに前を向きつつ、死によって、みずからの命が断ち切られるまで、“誠”の心のもとに“私”を“更新” してやまなかった松陰の「死生観」を学ぶ」。著者は皇学館大学文学部教授・松浦光修氏。より深く吉田松陰の死生観を知りたい方へ。とても分かりやすい口語体で書かれており、留魂録以外の手紙なども豊富です。管理人超オススメ!
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下田渡海に失敗し野山獄に投獄された松陰が、囚人たちに行った孟子の講義の講義録前半。孟子のことばに拠り、それを越えて、自己現下の問題としてこれを考える、正に松陰ならではの気概の書であり、これこそが吉田松陰の著作の代表作。丁寧な現代語訳はもちろん、読み下し文も収録されている。
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萩・野山獄で行われた、松陰が囚人たちに行った孟子の講義の講義録後半。孟子のことばに拠りながらも、それを越えて、松陰独自の解釈として捉えた書。この講義は松下村塾での講義へと繋がっていく原型となったものとも言える吉田松陰の著作の代表作。現代語訳はもちろん、読み下し文も収録されている。ちなみに、「講孟箚記」はのちに松陰により「講孟余話」として改題されている。
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「至誠」は、永遠の生命をもち、人を感化しつづけ、状況転換を可能にするという確信に支えられた、吉田松蔭独自の透明な思想世界。表題作ほか「回顧録」「留魂録」などを収録。 (講孟余話(抄)/ 将及私言/ 幽囚録/ 回顧録/ 野山獄文稿(抄)/ 丙辰幽室文稿(抄)/ 戊午幽室文稿(抄))


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